岩場のアクセス問題とマナーについて考える[外岩のルールと注意点]

今回は岩場でのマナーや問題について記事にします。

今までに岩場に行ったことのある人、行こうと思っている人、行きたいと思っている人はぜひ読んでください。

この記事は日本フリークライミング協会(JFA)の無料配布版の「安全ブック5」に書いてあることの一部を僕なりにまとめたものとなります。

賛否はあるかもしれませんが、それはともかくとしてマナーやアクセス問題について少しでも考えるきっかけになれたらな、と思います。

「アクセス問題」とは

皆様は「アクセス問題」を気にしたことがありますか?

簡単に説明します。

「アクセス問題」とは…

例えば、クライマーが岩場に立ち入る際、クライマーのマナーの悪さ、事故により岩場への”立入禁止”や”自粛”などの措置が取られてしまうような問題のことを指します。

アクセス問題を起こさないためには、クライマーの一人一人がこのことについて考え、知り、共有しなくてはいけません。

なぜなら、無知な一人が一回でも問題を起こせば、その岩場が使えなくなってしまう可能性があるからです。

岩場はクライマーのものではなく、誰かの土地ということを認識し、マナーや法律を守り、地元の人、観光客、作業者の方に迷惑がかからないようにしましょう。

岩場、クライミング文化を守るために。

ROCK&SNOWの60~65まで連載の室井登喜男さんの記事にはこうあります。

「不法駐車はやめましょう」とか「キャンプ場ではお静かに」とか「あいさつをしましょう」といったことは、クライミングとは関係ない一般常識の問題ではないのか

(中略)

これは「お年寄りに席を譲りましょう」とか「ゴミはちゃんと分別しましょう」というのと変わらない。

出典:ROCK&SNOW アクセス問題とは何か

クライミングは、長い歴史をもちつつ、常に新たな困難への挑戦を続けてきた。岩という同じフィールドを使って、さまざまなスタイルを生み出し、それを共有し、継承することでひとつの文化を形成してきた。

スポーツであると同時に、多種多様な試みが許される冒険でもある。

出典:ROCK&SNOW アクセス問題とは何か

われわれのアクセス問題対策の目的はクライミング文化を守ることであるはずだ。

出典:ROCK&SNOW アクセス問題とは何か

一般常識やマナーが欠如したクライマーが問題を起こしやすく、クライミング文化を屠ります。

アクセス問題に関わる岩場のマナーについて

騒音

民家の近くや、観光地、クライマー以外の人がいるところでの騒音は迷惑となります。

ここぞという時、止まらない一手に気合を入れ、声をだして止めたいというのは分かります。

完登した喜びが爆発し、雄叫びをあげたい気持ちも分かります。

しかし、クライマーという生き方を知らない人たちにとっては、感動の一手も”騒音”や”耳障りな音”として聞こえてしまいます。

自分の家の前でいきなり、知らない人に騒がれたら「どうした!?なんだ!?」ってなりますよね。

騒ぎが続いたら「アイツら〜💢」ってなりますよね。

近くに民家などがある場合、一般人への配慮をしましょう。

駐車

クライマー人口が増えてきた昨今、駐車場でのアクセス問題が1番多く、問題になりやすいと感じます。

今までは小さな駐車場になんとか車が収まっていた岩場も、人口の増加により路肩駐車や無断駐車でトラブルがおきます。

そのエリアに止められない時は無理に駐車せず、エリアを変える、岩場を変えるなどの妥協が必要です。

「あの課題やりたかったのになぁ」

と思うかもしれませんが、無理に駐車して問題を起こしてしまうと、その課題には一生触れなくなってしまう恐れもあります。

「あの車のせいで〜」

「あの人か…」

という買わずに済んだであろう、恨みも買ってしまいかねません

景観

景観の問題は観光地で起きやすく、とくに気をつけなければなりません。

景観を損ねるものは「ゴミ」「チョーク」「木の伐採」「炭」など”人工的なもの”や”元の状態と違うもの”です。

ゴミの放置なんかは一般マナーですね。

これは”クライマーとして”ではなく”人として”のマナーです。

ポイ捨てだめ。

捨てるべきところに捨てるか、持ち帰りましょう。

他に景観を損ねるものとして「チョーク」が挙げられます。

チョークは当たり前になりすぎて忘れがちですが、クライマー以外から見たら、いたずら書きのようなものなのです。

岩をチョークだらけにして汚くする行為は、同じクライマーから見ても不快です。

チョークでベッタベタの岩を見たことがありますか?

ベタベタのチョークが、雨で流れるとさらに悲惨なことに…

せっかくの美しい課題、ラインが汚くなります。

チョークのつけ方、ティックマークの付け方一つ一つにもセンスが必要です。

そして、登り終えたら掃除。

お忘れなく。

不審な行為

岩場の近くでテント泊、車中泊。

ナイトボルダリング。

焚き火。

どれも一般人からしたら不審者です。

言ってしまえば、”岩を登る”という行為もクライミングを知らない人からすれば不審な行為なのです。

ナイトボルダリングは認められているエリアと禁止されているエリアがあります。

トポやホームページなどでしっかり確認してから登るようにしてくださいね。

一般クライマーのSNSでのつぶやきなどを安易に信じてはいけません。

公式な情報があれば、そちらを優先的に確認してください。

その情報は本物ですか?

怪我及び事故

地元の方からすれば、近くで事故が多発すればいい気はしません。

最悪、死亡事故が起きてしまうこともあります。

そんな場所に人が入っていく。

危ないって分かっているのに。

普通の人は止めますよね。

誰でも、家の近くや自分の土地で怪我されるのは嫌ですよ。

ヘリや救急車で騒がしいのも苦情の原因。

たとえ自己責任で登っているといっても、重大事故を起こせば他人を巻き込むことにもなります。

重大事故を防ぐには危険察知能力、危険予測能力を鍛え、意思疎通をパートナーと行い、確認しあうことが必要です。

クライマー同士で気をつけたいマナー

チッピング

岩の形、ホールドの形を人為的に変えてグレードを変える、もしくは登れなくする行為を「チッピング」と言います。

クライミング界の絶対的なタブーとされ、「自然なままの岩を人工物を最小限に抑え、自分の手足で登る」という”フリークライミング”の考えから外れています。

「チッピング」は、その岩の歴史や初登者の思い、その課題に情熱を注いでいるクライマーの努力、その課題を目標にしているクライマーの意欲を踏みにじる行為です。

チッピングは

ダメ、絶対。

妨害

妨害。

ひとつは”クライマーにムーブを教える”こと。

自分でムーブを解決することに喜びを感じる方もいれば、一生に一度のオンサイトにこだわっている方もいます。

それを知らずに、良かれと思って教える行為が迷惑になることがあります。

ありがた迷惑。

余計なお世話。

そう感じるクライマーもいます。

クライミングにはいろいろなスタイルがあります。

別に気にしない…という方もいるとは思いますが、オンサイトにこだわっている方もいることを覚えておきましょう。

また、喫煙や騒音も妨害となります。

クライマーがここぞというトライをする時は、気を使いたいですね。

他には、ビレイヤーに話しかけることも妨害となります。

ビレイヤーへの妨害は命に関わりますよ。

占領

危険度は低いですが、迷惑となる行為の一つに「占領」があります。

トップロープのかけっぱなしや、グループでの岩の占領。

これらは登りたい人がいた場合、邪魔になります。

グループで大勢が集まっていたら入りにくいですし、盛り上がっていたら気をちらしてしまいます。

岩場が混んでいるときは特に、他のクライマーに気を使えるとよいですね。

一般的なマナー

一般的なマナー。

これはまずは「挨拶」が挙げられます。

地元の人、クライマー同士、ハイカー、キャンパー。

クライマー以外にもしっかり挨拶をすることで、怪しさが無くなりますし、好印象です。

たとえ一緒にいる人が挨拶しなくても、あなたはしてください。

他に、ポイ捨てをしない、ゴミは持ち帰る(自分のではなくても)、トイレを使う…などなど。

たまに、できてない人いますよね。

また、岩場付近でお金を使ったりイベントに参加することで、そのエリアを大切にしているということが伝わります。

アクセス問題の例

茨城 笠間ボルダー「大黒岩」

この岩は道路上にあります。

笠間市は、クライマーが突然のフォールによって道路上に転がること、そしてビデオ撮影のための三脚を道路上に置くことによる危険性を指摘し、大黒岩の登攀を禁止しました。

埼玉 聖人岩

2019年3月、グラウンドフォールによる死亡事故が起こり、地権者とのコンタクト中とのこと。

よって現在、クライミングは自粛となっています。

東京 十里木ボルダー

ここは、エリアに隣接する温泉施設内の通路を使用させてもらっていました。

2018年2月に温泉施設利用者専用駐車場に長時間駐車、下降路付近の路上駐車、温泉施設利用者の車両通行の妨げ、エリアでの事故が起きたため温泉施設側からのエリア入り口通路が立ち入り禁止となっています。

最後に

問題を起こす人はたまに「そんなの知らない」という意味不明な言い訳をします。

これだけ情報が溢れている昨今、知らぬ存ぜぬの言い訳は意味がありません。

岩場に行くにあたって注意事項はトポに載っていますし、ネット、SNSにも情報があります。

僕が今回の記事で参考にした「freefun 安全ブック」にも細かく書いてあります。

これは無料です。お金が無くて買えないから知らないなんて言えません。

「知らなかった」は情報を探そうともしないその人が悪い、と僕は思います。

僕たちのクライミング文化を守るためには、アクセス問題を考え、一人一人のマナーやモラルを向上させる必要があるのです。

この、アクセス問題を完全に解決するための極論は「クライミングしなければいいじゃん!」になってしまいます。

それでは元も子もありません。

そのことについても、レジェンドはこう仰っております。

いつの間にか自分たちへに規範を強化して、道徳教育なものさえクライミングに求めてしまう。

社会の側の要求にどこまでも応じようとすれば、無制限な自己規制の強化という罠に陥って、クライミングは自分の首を絞めることにもなる。

アクセス問題対策の手段として、ルール、マナーや事故防止策を身につけるのはいいが、イタズラにそれをクライマーの規範とすることは、互いを監視し、問題あるクライマーを非難して拒絶することにもつながり得る。

個人の自由より秩序の維持を上位に置き、自由と冒険という個人の利益を押しつぶし、クライミング文化を瓦解させかねない。

出典:ROCK&SNOW アクセス問題とは何か (室井登喜男さん)

この室井さんの記事を読んだ上で、僕はこの記事をアップします。

この記事は岩場に行く時に、気をつけなければいけない最低限のマナーが書いてあり、頭の片隅にはあるべきです。

「そんなことは知らなかった」と言う人が一人でも少なくなればいいと思うので。

いちクライマーとして、無知な人のせいで岩場に行けなくなるのは悲しいですから。

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